「高校生が選ぶゴンクール賞」決定する!(フランス)

ゴンクール ・アカデミーは、25日今年の「高校生が選ぶゴンクール賞」Goncourt des lycéens 2021にクララ・デュポン=モノClara Dupont-Monodの作品『受け入れたならば』S'adapter選ばれたことを発表しました。


この作品は、障害を持った⼦と、彼の兄姉弟を描いた物語。物語はこの障害をもった第三⼦が⽣まれたところから始まり、第三⼦を中⼼に新たな⽣活が再編成されてゆく様が描かれていきます。「私たち」と呼ばれる語り⼿は、⼈ではなく「⽯」であるというところも着目すべき点かもしれません。この語り⼿である⽯の声は、⼦どもたちと同じ世界に属しているとともに、古代ギリシア劇のコロス(合唱隊)のように、彼らとは別の物語位相にも属していて、⼩説では⾃然世界や感覚世界が絶えず描写されていると同時に、この「⽯」の声が通底⾳のように物語を⽀え、家族の住む集落を囲む⼭脈が、家族に起きた出来事を描いていきます。


著者のクララ・デュポン=モノは、古フランス語の修⼠号を取得後、雑誌「コスモポリタン」、週刊誌「マリアンヌ」のジャーナリストとしてキャリアをスタート。2019年にはJCラテス出版社でノンフィクション⽂学部⾨のディレクターを務め、数多くの雑誌に寄稿し、編集⻑を歴任。ラジオ局フランス・アンテールの⽂学番組「クララと洒落た本」の司会を務め、同局放送の「もしあなたが聞いてくれるなら、私は全てをキャンセルするわ」の⽂学コーナーや、「本と罪」なども担当しています。


作家としてのキャリアは1998年に刊⾏された『エオヴァ・リュシオル』(Grasset社、ある⽇両⼿に翼の⽣えた主⼈公の物語(未訳))から始まり、2000年には『トリスタンとイゾルデ』に着想を得た『マルク王の狂気』(Grasset 社(未訳))を発表し、2003年には『ある娼婦の物語』(Grasset 社(未訳))を刊⾏している。『ある娼婦』はデュポン=モノが実際に出会った娼婦を1年間取材し続け、上梓された作品となっています。2007年に刊⾏された『ジュエットによる受難』(Grasset 社(未訳))でゴンクール賞にノミネートされ、2018年には『反抗』(Stock 社(未訳))で、ゴンクール賞およびフェミナ賞にノミネートされています。


現在、日本でも「日本人の学生が選ぶゴンクール賞」の選考が進んでいますが、果たしてどの作品に賞が贈られるのでしょうか?

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